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春季鉄研長期旅行記 第三話 松山電車巡り

記念祭より早二か月。昨年の地震の影響で歴代最短(10ヵ月半)になってしまった部長任期も終わりのんべんだらりとしているうちに期末が訪れて夏休み、このままフェードアウトでは(ブログ的に)立つ鳥跡を濁すも甚だしく、そんななんというか後々後ろ指を指されそうな引退はなんとも納得しがたいな、と思うわけでありまして、つまり何を言いたいかというと次に鉄研旅行に行く前に旅行記くらい片を付けてしまわねばならんというわけです。
というわけで、引退したはずの前部長にもうちょっと付き合っていただきたく存じます。

さて、前回宇和島に到着しタクシーで山中にあるユースホステルについたわけですが、いかな鉄研部員といえど朝早くから延々歩いて駅まで行こうと考える人間は然程おらず、やっぱりタクシーを呼んでもらって出発時間に合わせて相乗りで駅まで行くことになりました。
そういうわけで、宇和島駅から今日の旅は始まります。



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おや、いままで見た2000とどこか違うこの塗装、そしてTSEのマーク。貴様、試作車だな!?
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春季鉄研長期旅行記in四国
~第三話 松山電車巡り~


3-1.駅、ディーゼル音、松山にて---------------------------------------


一時間ほど、2000系試作車の特急宇和海に揺られていたでしょうか。相も変らぬ日差しの暑さに呆れつつ、終点松山に到着。この列車が通ってきた内子線ではない、いわゆる予讃線海回りへの列車に乗る幾人かと別れ、跨線橋を渡り改札へ。
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一体なんだってこんなよじれた架道橋が出来上がるのか、非常に気になるところではありますが、それはおいておいて改札の外へ。ロッカーに大荷物を預け、しっかり伊予鉄の1Dayチケットなるものを確保。これからの行程を考えれば、大人400円とは恐ろしくリーズナブル。さっそくそれを使って大手町駅前まで移動を試みます。
一時は路線図を忘れいったん逆方向へ向かってしまうという鉄研部員にあるまじきミスを犯してしまいましたが、気を取り直して今度こそ大手町へ。
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おお、さすがは日本唯一の路面電車と鉄道の平面交差!両方そろった絵はタイミングが合わないと見れないものだと思っていましたが、案外そのタイミングがしょっちゅう来るもので、この後列車に乗って出発したときも踏切で路面電車が列車待ちをしていました。
さて、駅ビル併設、対向式複線駅と、都会っぽいのにどことなく寂れている感じが長野電鉄の地下駅みたいでけっこう気に入った大手町駅を出て、向かうのは・・・・・・

3‐2.伊予鉄でGO!(郊外電車編)---------------------------------------------

向かうのはひとまず北方面、高浜へ。時に高架線すらあるけっこう近代的で格好いい複線区間を、旧京王3000の普通列車が行きます。1Dayチケットが使えないので多少お金がかかりますが、この際気にしない。
しばらく揺られていると海が見えてきて、路線は終点の一個手前、梅津寺駅から単線になります。複線だったものが終点一駅分だけ単線になるというのは結構味があるというか、面白いというか。
終点高浜で降りた人々の多くは松山観光港に行ったりするようですが、そこは鉄研部員、来た列車で戻るなんてお手の物。とはいえ改札を出て即戻るなんてのも何なので、折り返しまでの暫し散策。駅前の売店は入り口から見ると柱の陰で暗い、見えないところにカウンターがあってちょっと不気味(失礼)

高浜から折り返し、大手町とは別、路面電車と鉄道線が交差するもう一つの駅である古町で降車。平面交差でなく普通のポイントでの交差なので大手町に比べ目立ちませんが、車庫も併設とあってずらっと居並ぶポイントが粋。ここで再び路面電車に乗り換え、道後温泉方面へ。
数駅の間路面電車に揺られて本町通六丁目で下車。T字の縦棒のような配置になっている屋根もない停留所から本町線に乗り換え、さらに松山市駅に向かいます。面倒なことに本町通六丁目から松山市までは直通がないので南堀端で乗り換えねばならない罠。時に旅行先で路面電車に乗るときは乗り換えの方法を確認しておかないと面倒なことになりますが、ここは1Dayチケットがあるので問題なし。ちなみに既に完全に元は取りました。

松山市からは再び郊外電車で横河原へ。駅舎が古くていい感じです。
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銚子電鉄外川駅なんかにも通じる気がするこのボロ屋レトロ感!湘南窓と丸ライトの組み合わせのせいでしょうか、ステンレスの3000系でも結構よく似合う気がします。駅周りの雰囲気が気に入ったのでちょっと予定を変更して列車一本分のあいだ周辺を散策。駅だけでなく、周り全体も近代的な建物のはずなのにどこか古めかしい雰囲気。それどころかこの写真の奥のほう、松山市方面にちょっと歩いたら、遮断竿がちゃんとあるのに「手動で上げてください」という意味があるんだかないんだかな歩行者専用踏切を見つけて思わず往復してしまいました。面白いなぁ。ほかにもこの駅から松山市方面に18.2パーミルもの勾配があることを示す標識を見つけてちょっとびっくり。確かに目に見えて下っているような。

横河原から戻ってきてさらに郡中港へ。ちなみに横河原へ行く横河原線もこの郡中線も単線。しかし湘南モノレール並みに交換駅が多いので、結構本数が走っています。郡中港駅に着くと、駅前で何か催し物をやっている様子。どうやら五色姫伝説なるものに関連するイベントらしい。相変わらず3000系だったので別の車両を期待して次の折り返し列車を待つ間、ちょっと覗いていました。普通の歩道を五色姫の衣装を着た女性が歩いているのはちょっとシュールな気も。
待っていると幸い旧京王5000な車両が来たのでこれに乗車、偶然会った主務(当時)君とともに松山市へ戻る。ここからは昼食タイムも兼ねて目的の列車まで一時間ほどぶらぶらと空き時間です。松山市駅前のあれだけ大きなアーケードで目立つラーメン屋の類がないってのはちょっと驚き。結局安定のドトールへ行きました。

3‐3.伊予鉄道でGO!(坊っちゃん列車編)----------------------------------


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半ば無理やり時間をつぶして乗りたかったのはもちろん坊っちゃん列車。「蒸気機関車は見て楽しむもの」という話もありますが、まあやっぱりここまできたからには乗ってみないことにはね。実は蒸気機関車じゃないし。しかしまあ、いくら路面線を走るとはいえ、ここまで自然に並ぶものなんだなぁ。
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ターンテーブルなぞないわーっ!とばかりにジャッキで車体を持ち上げて運転士さんがとにかく押す。車掌さんはジャッキを抑えているのでしょうか。これが案外軽く回ってしまうもので、一分かからないくらいで180°転換を完了。どちらかというとそのあとで一両ずつ客車を手で押して連結させてたほうが印象にあります。

さて、「マッチ箱」のあだ名の通り確かにせまっ苦しい木目の客車に乗って今度こそ道後温泉へ。走行音の煩いこと煩いこと。車掌さんが時々やってきて車窓の解説などしてくれるのを聞きつつ、数十分で道後温泉の駅に到着。のんびりしてるようで駅をどんどん飛ばしていくあたりがけっこう楽しい。
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そしてちょっとレトロぶった雰囲気の道後温泉駅から商店街を歩いた先にあるのがこの道後温泉本館!すごい!こんな絢爛に入り組んだ和風建築は初めて見たかもしれない。時間がなくて建物に入ることすらできなかったのが思い返しても残念。いい雰囲気だなぁ。
そんなこんなしているうちに集合時間が近づき、道後温泉を離れます。今日のユースホステルは道後温泉が最寄なので松山に向かう必要はないのですが、なにせ荷物を軽くするために松山駅のロッカーにおいてきてしまっているのでやむを得ない仕儀にて。で、上一万で乗り換え、環状線の北側を通って松山駅へ。この線、これまでと違って路面でなく普通の線路の区間がほとんどで、市内線でここだけ鉄道線だったりします。なんというか、LRTって要はこういうのだよね、たぶん。ともかく、これで伊予鉄全線完乗です。

さて、松山についたら荷物を回収して合流、今度は南回りで道後温泉へ。中一(当時)が「東武と小田急どっちが上か」を議論してましたが、君たちそれ不毛にも過ぎやしないかい?
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坊っちゃん列車全景、道後温泉にて。先ほど乗ったのは客車二両編成のタイプでしたが、こちらは一両のもの。道後温泉に到着してからも、部員はいったんばらけてしばし駅のお土産屋に足を伸ばしたり、折り返す坊っちゃん列車を撮ったり。かくいう自分も牛乳アイス最中なんぞを購入。昨今バニラばかりで純粋な牛乳のアイスなんてなかなか食べられませんから。
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道後温泉駅前にあったからくり時計。ちょうど18時で鳴り出したのですが、まさかこんな大きいからくりがあるとは・・・・・・。しかも微妙に意味不明。


さて、この日の宿は先述の通り道後が最寄、とはいえその奥の山の上まで徒歩というけっこう難儀な地点。大荷物を持っているとこれが結構つらいのです。

宿の部屋には中心にどんと炬燵。最終的にみな炬燵の魔力に囚われる始末。だめだこりゃ。


さて、旅行はすでに折り返し地点を過ぎ、次の日は高松へ向かいます。できれば次回に続け!

武蔵高等学校中学校鉄道研究部