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春季鉄研長期旅行記 第五話 徳島ローカル旅情

四国旅行も、ついに実質最終回。夜にはサンライズ瀬戸で四国を離れねばなりません。高松駅のロッカーに大荷物を仕舞っておいて、軽い身なりで未だほとんど足を踏み入れていない徳島へ向かうとしましょう。

転寝しつつ高松駅から「南風」に乗ること一時間余、ちょうど目を覚ましたころに阿波池田に到着。そういえば地震で中止になってしまった去年の四国旅行はここで泊る予定だったんですよね。まあそれはともかく、今回はここで乗り換え、東方、徳島方面に向かいます。

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乗車するのはキハ185系「むろと」。今回初(九州でも乗っていないので生まれて初ですが)のキハ185系です。いや、別にだからといって特別なものがあるわけでもなんでもない古い特急車なのですが、なんとなく。
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春季鉄研長期旅行記in四国
~第五話 徳島ローカル旅情~


5-1.南の果ての孤独なる駅---------------------------------------

乗り換えた特急列車は順調に山間を行き、気が付けば徳島に。さらに列車は牟岐線を南下し、牟岐駅まで向かいます。自分もそのまま乗り続け、牟岐駅から普通列車に乗り換え、牟岐線の終点海部で下車。
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えっなにこれ。無用の長物、超芸術と書いてトマソンと呼ぶアレ?
(ちなみにこれはトンネル建設後に造成で山が削られた結果で、
赤瀬川原平「超芸術トマソン」にも掲載された由緒正しき無用トンネルです。
トマソンの意味については各自検索すべし)

・・・・・・まあともかく、ここからは海部駅含めわずか三駅の第三セクター、安佐海岸鉄道阿佐東線に乗り換え、南の果て、ちょっとだけ高知県な甲浦へ。普通にもっと牟岐線と直通運転すればいいと思ったけれど、よくよく考えればそんな需要もなさげなのが辛い。
というわけで10分とかからずに終点甲浦に到着。しかし・・・・・・
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うわぁ・・・・・・
一面一線高架終点駅、無駄に長くかつ延伸の先を奪うかのように立つホームへの歩道橋。そしてこの寂れた空間。なんというかすごいところとしかいいようがない立地!芝山千代田なんか目じゃないぜ!
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甲浦駅駅前通り俯瞰
バスも通る駅前の一等地!夜暗くても街灯付き!駅前なのにこの広い空間!なんだこれー!
ちなみに駅の立地もこの辺りの中心からはるかに離れた位置なので、今後もしまかりまちがって阿佐海岸鉄道が奈半利まで延長したとしても繁盛する可能性が見えなかったり。どうしてこうなった。

実際のところ、このあたりの写真を撮るくらいしか暇をつぶすような方法がない状況。もちろん折り返しの列車で海部へ戻ります。

5-2.北へ鳴門へ---------------------------------------
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牟岐線と阿佐海岸鉄道、双方一両編成の普通列車が対面。阿佐海岸鉄道は開業20年。よくここまでもったものです(失礼)。今後どうなるんだろうなぁ。

さて、海部から再び普通列車で牟岐に戻り、またまた特急で北に撤退します。ところでこの牟岐線の特急列車、基本同じ区間を走っているのにむろとだったり剣山だったり。同じにしても大した違いはない気もするんですけどね。

徳島からはまだ未踏の鳴門線の往復に向かいます。中一を一人引き連れた中三(ともに当時)と遭遇、同じ列車に乗り込みます。中一は上級生についていくことになっているのですが、そういえば中二の夏の東北の後、一度も自分の行程についてきた中一がいません。いや、強行日程過ぎるだけですごめんなさい。

その後は鳴門でハプニング、中一が周遊券を紛失してしまった模様。自分としてもそういう経験がほとんどないのでちょっと焦りましたが、引率の中三君が駅停車中に電話したり徳島駅で聞いてみたりした結果、徳島で降りた特急の座席に落ちていたことが発覚。阿波池田から戻ってくる列車に乗せてもらうことになり事なきを得ました。よかったよかった。大体のハプニングはどうにかなるもんです。蜂に刺されたとかオーシャンアローが鹿轢いたとか、どうにもならないことはありますが、それは人知を超えた何かの仕業に違いありません。

ともかく解決したようなのでそれについては引率の中三君に任せ、一足早く高徳線で高松へ。

5-3.特急西奔---------------------------------------
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さりげなくN2000系先行車(しかも徳島より限定)だったうずしおに乗り、さりげなく四国で未乗車な最後の路線である高徳線を駆け抜けます。速い速い。結構な速さでついてしまいます。列車頻度も割とあったり。

高松についてしまえば、もうなすべきことはほとんど残っていません。なぜかこの日の朝四国にふらりとやってきた副部長氏と合流して遅い昼食(18時過ぎに摂る高松駅連絡船うどん)をこなしたり適当に写真撮ったりそこらへん歩き回ったりアイス(牛乳アイス最中。変に甘くないのがうれしい)買ったりしているうちに集合時間間際。サンライズの中で食べるためにマックで夕食になるようなものを軽く見繕い、列車の入線を待ちます。副部長氏、部員たちの前へサプライズ登場。みんな大して驚かなかった。

5-4.日の出は東に---------------------------------------
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サンライス瀬戸号がついに入線。みながやがやと自分のノビノビ座席にたどり着きます。そのさなかに後輩と交渉して下段から上段へ席変更を果たしたのは自分ですごめんなさい。だって過去何度もノビノビ使ったのに下段だけだったんだからしょうがないよ(と自己弁護してみる)
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電光掲示板は東京行きの寝台特急を指し、アナウンスは間もなくの発車を告げます。四国旅行ももう終わりが近づいています。でも家に帰るまでが四国旅行です。車内アナウンスは「6両編成」だとか「終点岡山まで」だとかよくわからないことをのたまっていましたが気のせいでしょう。そうに違いありません。四国の車掌がポンコツだとか言ってません。そんなこと言ったのは・・・・・・ゴホンゴホン

ちなみに副部長氏はまさかのA個室寝台使用。ここで瀬戸大橋の夜景を眺めつつ食事をとり、ついでに主務(現部長、当時旅行主任を兼務)をかるーく引っ張ってきて反省会みたいな何かとか、来年度の鉄研のこととか、まあそんなことをいろいろと。

岡山あたりで謎の長時間停車ののち、しばらくしてどこかの駅で停車中突然の停電。何があったのかと思ったのですが、その後車掌さんに聞いたところによると貫通扉周りの不具合だとかモニター不具合だとかでいったん全電源を落としたそうで。シャワーに入っていて突然お湯が止まったおじさんとかが大混乱。個室でも水がなぜか止まらなくなったそうです。まあいずれにせよ走行に問題はなかったらしく、すぐに電源は回復、何事もなかったのように走り出しました。よかったよかった。

最後に東京についたらそのまま流れ解散。一週間の四国旅行も実質終了。大問題が起こることもなく、今回も無事帰って来れました。どっとはらい。

武蔵高等学校中学校鉄道研究部