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春季鉄研長期旅行記2012 第一話 瀬戸内から太平洋へ

今年の春の旅行は昨年地震の影響で行きそびれた四国!
3月の23日から28日にかけて行ってきました。
時期が悪いのか、「ムーンライトながら」が運転されていなかったので
九州旅行に引き続きサンライズで往復する羽目になったのですが・・・・・・
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あるぇー、東海道線止まってますよー?
この後更に高崎線でも人身事故が発生。
うーん、幸先の悪いスタートです。

春季鉄研長期旅行記2012四国
~第一話 瀬戸内から太平洋へ~



1-1.曇天の瀬戸内へ---------------------------------

結局30分の遅れで東京駅を発車。熱海を過ぎれば人身の影響もなくなるはずなので、JR東海管内で遅れを取り戻してくれることを期待していたのですが、翌朝姫路手前で起きても大絶賛数十分遅延中。残念。

そのうちに寝台特急サンライズ瀬戸は同出雲を岡山で切り離し瀬戸大橋線へ。昨夜の遅延を引きずっているらしく、途中列車交換で五分以上止まっていることも。そもそもなんでこんな微妙に単線なのですかこの路線は。更には岡山で横目に見た「しおかぜ」になぜか追い抜かされたりしつつも茶屋町を過ぎ、児島でJR四国の乗務員に交代。ついに瀬戸大橋に入ります。

瀬戸大橋から見た瀬戸内海はあいにくの雨でしたが、個人的には橋の構造を眺めているだけでも十分楽しかったり。途中の島々で降りていく上の高速道路のアクロバティックさがなかなかに面白いのです。

瀬戸大橋を降りると坂出で停車、サンライズ瀬戸はここから高松まで遅延回復のため最後のスパートをかけます。が、時既に遅く高松到着時には50分もの遅れに。東京を出たときは30分遅れだったのに20分伸びているのがなんだか腹立たしいですが、それはさておき、ついに高松に到着。とりあえず盛大な遅れのせいで乗り換えが押し詰まったり行程の組み換えを強いられた部員が多数いたようで、走って特急に乗り換えたりしていました。

1-2.旧宇高航路を行く---------------------------------

一気にバラける部員を傍目に自分は改札を出て雨の駅前広場へと足を踏み出します。そのまま進めば琴電高松築港駅なのですが、いつだったか中国旅行で乗った(そういえばあの旅行記途中で止まってる・・・・・・あーあー気にしない)ので今回はスルー。更に先、かの宇高連絡船の名残、連絡フェリーに乗りに行きます。

フェリーに乗るなんて滅多にないことでちょっと困惑しつつ、乗船券を買って待合室で待つこと暫し、宇野へのフェリーが接岸します。待合室で待つ人数は少なかったのですが、カーフェリーなので乗客は結構いるんじゃないか・・・・・・と思って甲板の階段を上がって客室へ向かいます。

03 019・・・・・・客少なっ
おかしいですね、トラックとかそれなりに乗ってたはずなんですけど、目の前には誰も座っていない椅子しか見えません。客少なすぎて気まずくなるレベル。まあ船が動き出す頃には5人くらいは来ましたけど。

船が宇野に到着するまでぴったり60分。のんびり瀬戸内海を渡ります。島が多いので景色にも変化があって楽しいです。相変わらず船内が過疎すぎて気まずいけど。
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60分というのは案外速いもので、朝早くで眠かったのもあっていつのまにやら宇野に到着。雨の中、本州に再上陸を果たします。今のところ「四国旅行(笑)」みたいな感じ。

写真でもトラックが出てきていますが、実際カーフェリーだけあって結構車は乗っていたのです。うっかり後ろの甲板に降りてしまった自分が横をすり抜けて前に出るのを断念するくらいには。なので最低でも運転手十人くらいはいたはずなんですけどねぇ・・・・・・見落としてたのかな。それともみんな危険物積んでたとか。ないない。


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宇野の駅からは宇野線に乗って茶屋町に向かいます。この宇野線、沿線の規模と比べても妙に本数が少ないので、往復するのは面倒・・・・・・というのもあって宇高航路を選択したわけですね。

妙にハイカラな宇野駅横のコンビニで買ったおにぎりなんぞを朝食にとりつつ列車に揺られていたのですが、どうも宇野線は遅延が発生している様子。岡山方面からの列車が遅れているようで、はじめ列車交換で駅に停まっていたのが対向列車なしで発車したり、次の駅で交換したり。まさかサンライズの影響なんでしょうか。有り得そうな話ではあります。だから夜行列車は運行側に嫌がられるんだろうなぁ。

1-3.ふたたび橋へ---------------------------------

茶屋町で乗り換えるのは快速マリンライナー。先頭車は二階建てで、しかも上階はグリーン車と来ています。ここはささやかな無駄遣いということでグリーン車の指定券を購入。列車に乗り込みます。

で、グリーン車に乗ってみた感想なのですが、いやこれ、かなり乗り心地いいですよ?ほかのグリーン車なんてE217くらいしか乗った事無いですが、下手な特急より乗り心地は良いような。少なくとも185よりはいいです(アレと比べるな)。

で、二階席の景観もいいのですが、この先頭車には実質パノラマ展望車なゾーンがあるのですね。こちらも料金は同じグリーン車でかつ空いてたので車掌さんに移動してもいいか尋ねた所なんら問題無いとのこと。児島を出たところで階段を降り展望室へ赴きます。
03 029眺めそのものは二階席ほどではありませんが、もとより外は曇天。本日二度目の通過なこともあって今回は前方を注視します。瀬戸大橋が多数の橋の集合体なのは常識ですが、まさかこんな曲がっているとは思いませんでしたね。

しかし残念ながらこの展望とも坂出でお別れ。相変わらずの本四備讃線遅延の影響で割りと接続がシビアなのです。もともと坂出で宇多津方面の普通列車に乗り換え、宇多津でこのマリンライナーの後続で岡山からやってくる(というより宇多津で接続待ちなので「既にやってきている」レベルですが)南風に乗り換える行程なので仕方ないともいいます。なにせ荷物持ちなので、急いで乗り換えるのは面倒かつ難しいのですよ。

1-4.風は山脈を越えて---------------------------------

03 031なんのかんので高知行きの特急南風の自由席に落ち着いたころ、列車は多度津に迫っていました。と思ったら窓際に見えたのがこの車両。どこかE3みたいな概観、なんか少ない窓、なんか違和感のある蒼い色。FGTことフリーゲージトレイン試験車君ですな。そういえばこのあたりで運転試験を繰り返しているんでしたか。いやはや、めずらしいものが見れました。

もとより新幹線のない四国にとって、出来るかどうかも怪しい「四国新幹線」なぞよりよっぽど現実感があるのがこのフリーゲージトレインを使った山陽新幹線への直通。JR総研にはぜひ頑張っていただきたいところです。


03 042列車は讃岐平野を快走します。さすがはJR四国のフラッグシップ、振り子式気動車2000系。結構な高速でカーブを曲がっていきます。乗り心地もよく、いつの間にか眠りについて起きたのは阿波池田をすぎたあたり。坪尻のスイッチバックを見逃してしまいました。既に讃岐平野から急峻な四国山地の横断に入っていた南風号は吉野川沿いを崖に張り付くように走り、大歩危峡に至ります。渓谷の景色もさることながら、対岸の崖にぴったりくっついた道路の崖側に立っている建築物の構造が素敵。

03 045某餡子入りパンがどーんと描かれた南風号2000系の勇姿!同類はどんどん増殖しているらしく、この旅行で何度も見かけました。ちなみに瀬戸大橋線の影響で高知到着までもが遅延しており、わずか五分のうちに大きいバッグを駅構内のロッカーに詰めて路面電車に乗り込むはめに。どうにかなりましたけどね。


1-5.ごめんで済むなら阿佐線はいらない?---------------------------------

さてこれから、土佐電で後免町に向かおうとしているのですが、そのためにははりまや橋で乗り換えの必要があるのですね。後免町に行く電車はそれほどしょっちゅう来るわけではないので、雨の中を急ぎ乗り換えます。
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というわけでLRT状態な半専用軌道を行く土佐電に揺られること数十分。後免町の電停に到着。ごめん。ここで土佐くろしお鉄道のごめん・なはり線こと阿佐線に乗り換えます。ごめん。圧倒的存在感な「ごめん」。LED表示版では飽きたらず、ダメ押しのごとく腰部に掛けられた達筆な「ごめん」。

・・・・・・ともかく、すぐそばにある高い高架橋の上、土佐くろしお鉄道のホームに上がります。
ちゃんと階段に屋根もあり、ホームには待合室もあるみたいで、雨の日にはほんとうに有難い・・・・・・
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え?
何この孔明の罠。

雨がやみかけで助かりました。しかし奈半利行きの列車はなぜか奈半利よりギリギリ、つまり写真右側の屋根のないところに到着する不思議。謎だ。

奈半利行きの列車は一両だったのですが、夕方時間帯なこともあってか学生を中心に定員いっぱいくらいの乗客がいました。沿線も高知より半分は住宅街といって差し支えない地域のようで、経営努力も相まってごめん・なはり線は大過なく運営できている様子でした。

とはいえ終点奈半利まで行く乗客はそれほどではなかったのですが、奈半利駅一階の売店ではゆず他柑橘類系の物産も多数あり、それなりに観光需要もある模様。ゆずジュースおいしゅうございました。

ところでごめん・なはり線は阿佐線の名にもかかわらず徳島方の阿佐海岸鉄道とは繋がっていない壮大な盲腸線でありまして、基本折り返すしか無いはずなのですが、折り返しの列車で発車を待っていると行きには居なかったはずの後輩の姿が。聞くと阿佐海岸鉄道甲浦駅から延々室戸岬を回るバスに乗ってきたんだそうで。根気があってよろしい。

列車はそのまま直通で高知に到着。今日は高知、円行寺口にあるユースホステルに泊まるので、高知駅で集合。集まったのを確認して列車で円行寺口に向かおうとしたところでハプニング。部員の一人の周遊券の期間が発行段階で間違っており、いままで誰にも気づかれていなかったとか。幸い書き換えてもらって難を逃れました。
03 083「酒の国共和国」だそうで。
未成年なんで関係ないんですけどね。
ログハウス風の、居心地のいい建物でした。

次の日は宇和島に向かいます。次回に続け!

武蔵高等学校中学校鉄道研究部