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鉄研夏季九州長期旅行記2011 第三話 肥薩線ジョイフルトレインの旅

朝の鹿児島港、桜島フェリーから降り立ち、鹿児島駅へ。
本日、8月27日は今度こそ熊本へ向かいます。
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鹿児島中央までは、昨日乗らなかった鹿児島市電で。
鉄研旅行では、どうも路面電車といったものに乗る機会は少なく思えます。

夏季鉄研長期旅行記2011九州
~肥薩線ジョイフルトレインの旅~

鹿児島から北上するにあたっては、やはり肥薩線を使わずには居れますまい。ということで、本日乗るのは夜間保護色漆黒色の日本最遅特急「はやとの風」。
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いやはや、黒い。実に黒い。妙な光沢が反射して変に写真が取りづらい列車でした。ところで、この特急(がない)、隼人から肥薩線内に入ると、古い駅やらなんやらで割としょっちゅう止まります。嘉例川とか、霧島温泉とか。そういうところには、なかなか面白い古いものがたくさんおいてあったり、地元の人が特産物をホームで売ってたり、ただで焼き芋とお茶を配ってくれたり。車内では「桜島の火山灰」なんてものまで貰えました。車掌さんは「実は新燃岳の灰も混ざってるかも」と言っていましたが・・・・・・(笑)
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そんな駅を見ていくうちに、ようやく「はやとの風」は終点吉松駅に到着。ここからは人吉までの「しんぺい」に乗り継ぎます。
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ホーム上にあった謎の棚。
どうやら、普通列車用の行先表示板、いわゆるサイドボードを入れておく棚のようです。

最近の車両はみんな方向幕なりLEDなりで行き先を表示するので、自分たち都会の人間には馴染みのないものですが、このあたりまで来ると、終点で作業員の人がホームと反対側の扉を開け、身を乗り出してサイドボードを取り替えているのを見ることができます。

・・・・・・にしても、案外行き先多いんですね。
      「吉松→隼人↓
右上には    都城← 」なんていうややこしい物まで。





さて、一行は「しんぺい」に乗車。指定席をとっている部員もいれば、7席しかない自由席に座り損なってずっと立っていた部員も。もっとも、そこまで長い時間乗るわけでもありませんし、途中三駅の停車駅でみんな降りて写真を取りに行くので、余り関係のないことではあるのですが。
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これが「しんぺい」。ちなみに、吉松行きは「いさぶろう」、人吉行きは「しんぺい」として運行しています。2008年に乗ったときは2両だったのが、いつのまにやら3両に。そういえば「はやとの風」も3両でしたし、相当乗客があるようで何よりです。写真は真幸駅にて。
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いやはや、さすがに眺めがいいですねぇ。「しんぺい」は、眺めの良い所で低速運転してくれるので、心地よい眺望をゆっくりと眺めることができます。真ん中、山の向こうの薄い影は桜島だとか。
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矢岳駅にはSLの展示館が。ボランティアの方々の尽力で、D51-170が相当にいい状況で保存されています。数分間の列車停車時間の間に、多くの乗客が集まっていました。






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こちらは大畑駅の駅舎。
大畑駅は日本でここだけ、ループ線の途中にスイッチバック形式で存在する駅。それがよく分かるのが下の写真。






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高いところから降りてくるループ線を走る「しんぺい」の車窓から、スイッチバック型の大畑駅ホームが見えます。このあたりの急峻な山を登るために、このようなややこしい構造の線形になったわけですね。

「しんぺい」の終点、人吉からは、ほとんどの部員が下の写真の「くまがわ」に乗って熊本に向かいます。そういえば、「くまがわ」に使っているキハ185系はなんでかまだ一度も乗ったことがないなぁ……。
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しかし、自分含め二名はこのあとにやってくる別の列車を選択。全席指定、多くの観光客と子供たちが待つその臨時列車の正体は――――
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……あれ?


おっと、これは端っこの展望室。

眺めれば川沿いを走る肥薩線の景色と線路が流れていく、なかなか眺望の良い(ただし日差しが熱い)ところですが、重要なのはそこではなくて。

23 209こっちこっち。蒸気機関車。
えーと、無駄にもったいぶりましたが「SL人吉」に乗車。
この機関車、元はさっきの写真、矢岳駅のSL展示館にあったもの。いまや営業運転できる蒸気機関車としては最古の車両。
全席指定ですから、指定席をとってあったわけですが、ここでずっと座っているのはもったいない、ということで、昼食の人吉のあゆ弁当(尾頭付き)を食べた後は後ろの展望室へ。サロンみたいな感じになっているのです。


その後は車内でアイスを買ったり(またか)してのんびり。横の道路をずーっと並走していく自動車がいましたが、こっちが停車すると律儀に待っていたりするのはなぜ?
そのうちに後ろにも飽きたので前の展望室へ。機関車の真後ろとはいえ、横の眺望だけでも相当なものがあります。問題はやっぱり、夕方の直射日光なわけですが・・・・・・熱い!
やがて八代を過ぎた辺りで眠くなり、うとうとしているうちに終点熊本に到着。降りたら先行した部員たちが写真をとっていたので合流。ホームの向かい側には、昨日乗った「あそぼーい!」が止まっていたり。
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編成概観。さりげなくにわか雨が降っていました。そうこうしている間に、「SL人吉」は後ろに連結したディーゼル機関車に引っ張られて撤退。自分たちも宿に向かうとしましょう。
本日の宿は水前寺駅が最寄り駅。豊肥本線で数駅移動します。最後に残った他の経路だったり寄り道していた部員を回収して宿に向かいました。中二某君は中一を引き連れ、この雨の中「熊本市立武蔵中学校」を見に行っていたとか。行動力すごいなぁ(笑)

さて、明日は九州の西側を更に北上して佐賀に向かいます。
特急街道とも言われる長崎本線に乗りに行きます。
ではまた!





武蔵高等学校中学校鉄道研究部